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隠匿シリーズ☆番外編
第5章 騒動の行方



「で、殿下はお優しい方です。そんなことなさらないわよね? それに私、本当は王位など望んでませんでしたのよ? ただあの頃殿下に相手にされなくて、寂しくて……。それで殿下に似た男性と関係を持ってしまい、サイラスを身籠ってしまいましたの。でもお父さまに父親は誰かと問い詰められ、つい殿下のお名前を……。私を少しでも憐れだとお思いになってくださるのでしたら、どうか黙っててくださいませんか?」


「今度は泣き落とし、ですか」


 レオはやれやれと首を振る。


「なにか勘違いなさってませんか? 確かに私は大抵のことは笑って赦してあげられます。面と向かって侮辱されようが、唾を吐きかけられようがね。でもあなたはアリエッタを巻き込み傷付けた。一番犯してはいけない罪をあなたは犯したんだ。愛する人を傷付けられた男がどれ程残酷になれるか見せて差し上げましょうか?」


 慇懃に言いつつも凄みのあるレオに、ジゼルは竦み上がる。


「……私がこの邸を出たらすぐ、伯爵に説明することをお勧めします。でないとあなたやサイラスの将来は無いものと思ってください」


 レオは紅茶に一口も口を付けず、ブルブルと震えるジゼルを残し部屋を出た。







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