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隠匿シリーズ☆番外編
第1章 愛ある行為もほどほどに
「ごめんなさい、突然押しかけたりして……。ナキラのところしか思い付かなくて」
寝台でクッションを抱えるアリエッタと並び、ナキラは膝を抱える。
「いいえー。それよりこの寝台、レオ様の身体にはちょっと狭いですよね」
「ううん、いいの。ナキラにも狭い思いさせてごめんね。それにその……ナキラは嫌……じゃない?」
「なにがです?」
「私今……レオでしょ? だから抵抗ないかなって」
「いいえ? だってアリエッタ様ですし」
確かに見た目はレオだが、口調や仕種、雰囲気さえもアリエッタだ。どう転んでもなにか起こるわけがない。
それにだ。ナキラは何年もレオに仕えてはいるが、一度としてレオに恋心を抱いたことはない。国でも一、二を争う美丈夫のレオでもだ。
だからたとえ元のレオだったとして、共に寝台に入ろうとも、間違いを起こすなど有り得ないと言い切れる。
「ありがとう、ナキラ」
小さく微笑むアリエッタにナキラも微笑み返した。
「でも今夜だけですよ? 明日はちゃんとレオ様と話し合ってみてくださいね」
「ええ……。そうね」
アリエッタは抱き締めるクッションをより強く腕に抱いていた。
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