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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
──あれからレオは一度寝室に戻り、やらなくてはならないことが出来たと言いに来た。
そしてアリエッタに、戻るまでここに隠れているように言い、瞬く間に夜になってしまった。
その間、侍女に見つかりそうになったりとハプニングはあったが、クローゼットに隠れてやり過ごした。
ようやくレオが戻って来たときにはすっかり日が暮れ、夜の帳が下りていた。
「待たせてすまない。これ、厨房からくすねてきた。大した物じゃなくて悪いが、空腹は満たせるだろ」
テーブルに置かれた銀のプレートからクロッシュを上げると、そこにはパンやハム、それにサラダやスープまである。
「充分よ、ありがとう」
くすねてきたという割りには種類が豊富で、綺麗に盛り付けられている。不思議とお腹が空いたという感覚はなかったが、レオがアリエッタのために持ってきてくれたのだ。残すわけにもいかず、口へと運ぶ。
レオはアリエッタが食事をしている間も、ずっと微笑んでアリエッタを見ていた。
見られながらの食事はどうにも居心地が悪いが、嬉しそうにしている彼を見ていると咎める気にもならず、彼の好きなようにさせていた。
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