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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
結局はレオの隣に横たわる羽目となるが、レオに背を向け極力縮こまり、触れ合わないように寝台の端に身を置いた。
それが至極不満そうで、レオは仏頂面だ。
「……さっきの質問だが、俺はアリエッタを抱いてないのか?」
「それは、その……」
「真剣に訊いてるんだ」
背中越しに聴こえる声は、確かに真剣だった。冗談やわざと辱しめているわけではないらしい。
アリエッタは躊躇しつつ、答える。
「そんなこと……ないけど」
消え入りそうな声で言うと、レオは深々と嘆息した。
それは安堵からではなく、不満そうに聴こえ、アリエッタはどうしたのかと振り返ると、案の定彼はむくれている。
「レオ?」
「……腹が立つ」
「え?」
「だから、俺に腹が立つと言ったんだ」
つまるところ、彼は5年後の自分に嫉妬しているらしい。
忘れていたが、レオはアリエッタの予想を超え、嫉妬深いのだ。以前、幼子にも嫉妬していたくらいだ。
むくれるレオは突如としてアリエッタの腕を引き、抱き締めてきた。
その腕や胸はアリエッタの知るそれとは逞しさなどが劣るものの、匂いはよく知るもので、自ずと緊張と戸惑いを覚える。
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