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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
「……俺もキミを抱きたい」
「え?」
レオの言葉に更に戸惑い、硬直してしまう。彼の双眸は切なげに揺れていて、胸が締め付けられた。
だがアリエッタは首を小さく横に振る。
「ダメよ……。そんなのダメ……」
「なぜ? 今の俺には魅力を感じない?」
「そ……! そうじゃないけど……」
アリエッタが惹かれたのは彼の鮮烈な色彩や優しい心根だ。今のレオはアリエッタが惹かれた色彩を放ち、心根だってきっと優しいに違いない。
「あなたの好きなのは13の私でしょ?」
自分で言って、胸に棘が刺さる。彼が5年後のレオに嫉妬する気持ちが解る気がする。この胸の痛みは、アリエッタもまた5年前の自分に嫉妬している証拠だ。
「俺にとってアリエッタは……今のキミも、そして目の前にいる5年後のキミも、変わらず愛しい女性だ」
真剣な眼差しで言う彼の背に回す腕の力が増す。
「キミは? 違うのか? 目の前にいる俺のことは愛せない?」
「……ッ」
ぐらつくアリエッタの心情。
愛せないわけないじゃないか。どんな姿であってもレオはレオなのだ。
生まれて初めて強烈に惹かれた男だ。過去も、そして未来永劫それは変わらないだろう。
だが──。
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