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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?



「でも……5年後のあなたに叱られちゃうわ」


 困ったように笑えば、レオは眼を瞬かせてから細めた。


「大丈夫。5年後の俺もアリエッタが初めての女性になってくれたら本望だと赦してくれる」


「……え? 初めてって……」


「なんだ? そんなに意外か?」


 少し頬を赤らめ、レオは不服そうに言う。アリエッタは慌てて首を振る。


 言われてみれば、彼は15歳だ。まだ女性を知らなくてもおかしくはないだろう。


「……何人かに誘われたことはあった。けどアリエッタ以上に触れたいと思う女性がいなかった。きっと今日、この日のために俺は誰にも触れずにいたんだと思う」


 レオの掌が頬にそっと触れる。それだけで甘い痺れが生じてしまう。


 そんな風に言われたら、もう断れない。5年前も、そして5年後も、どうしようもなくアリエッタはレオに弱いのだ。


 レオが覆いかぶさり、顔を近づけてくるのも抵抗せず瞼を落とす。


 柔らかく温かな唇がアリエッタのそれに触れる。感触はよく知るもの。けれどどことなくぎこちなさに、なんだかアリエッタまで緊張してしまう。


 彼の舌が伸びてきて、無言で唇を開けるよう促され、おずおずと舌を受け入れた。






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