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隠匿シリーズ☆番外編
第6章 彼の忘れられない人は……?
アリエッタがワインを取りに行った際、廊下を曲がった直後、反対側から小走りで酒瓶を抱えて来ていたナキラとぶつかってしまった。
別の仕事をしていたらしい彼女は、ワインが切れる頃合いを逃し、慌てていたとのことだ。
ぶつかった拍子に彼女はのけ反り、栓の抜かれたワインが上空に舞ったのだが、反動で後方に舞ったのが幸いし、アリエッタはワインを被らずに済んだ。
互いにひとしきり謝罪し合い、ワインで濡れた床を掃除するという彼女の代わりに、半分ほどに減った酒瓶を持ってリビングに戻ってみれば、すでにレオの夢の話が繰り広げられていた。
途中で止めようとしたが、酩酊しきるレオは聞き入れてくれず、結局は最後まで恥ずかしい話を聞く羽目になったわけだが……。
「別にいいじゃないか。夢の話なんだから」
抗議してもレオは全く悪びれる様子はない。
セドリックやジョシュアも酩酊しきり、何を口走っているのか判断できていないのだろう。
「夢でもだめ!」
アリエッタは涙目で訴える。
自分が彼にいやらしいことをしたのが、夢であっても恥ずかしいのだ。しかもまるで本当に起きたことのように、すらすらと語られれば、泣きたくもなる。
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