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隠匿シリーズ☆番外編
第1章 愛ある行為もほどほどに
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翌朝。アリエッタの一日はジョシュアの説教から始まった。
「なんの努力もせず逃げ出すとは、どういった了見なのですか。アリエッタ様、お解りになっておられるんですか? 明日までにお戻りになっておられなければ、レオ様の代わりを完璧に演じ、視察に行っていただきますから」
「は、はい……」
明日の視察は国にとっても重要なものらしく、ジョシュアが厳しく窘めてくる。
うっかりナキラの部屋から出ていくところを見られた流れがあるだけに、言い訳も言い逃れも出来ず、小さくなってジョシュアの説教を受けているわけだ。
「いいですか。本日中ですからね」
「はい……」
念を押され、いよいよ追い詰められてくる。
アリエッタは図書館でそれらしい本を探してみたりもしたが、やはりと言うべきか。治す方法など見付かるはずもなく。
レオは終日執務で部屋に籠り、あまり話すことも出来ずに夜がまたやって来てしまった。
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