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隠匿シリーズ☆番外編
第8章 次期執事は誰の手に






 ──思い出す、レオと過ごした長い長い日々を。


 レオと出逢ったのは10歳のときだった。それから色々なことがあった。彼が最も辛いときも、傍で見守ってきた。


 ジョシュアはおこがましく思うものの、兄のような父親のような気持ちになることがあった。


 普段、他人に弱い部分を見せるのを嫌うレオが、ごくたまにジョシュアにだけ弱音をポツリと零すことがあったからだろう。


 あれはそう──件〈クダン〉のキッシュの村を救ったときだった。


 村人のひとりが決死の想いで村を抜け出し、近隣の領主に訴状文を届けた。それが国王の元に届けられ、レオが解決に乗り出した。


 一旦は領主に直接話を聞きに行った。しかし、領主は訴状にあるような事実はないと否定した。


 税収は国の規定に基づいて行っている、私財を肥やしてもいない、と。それを証明する書類を見せられれば、それ以上追及は出来なかった。


 あとからその書類は改ざんされているものと判明したのだが。


 もちろん、そんな書類ひとつで納得するレオではない。村の現状を視察したい、と願い出たが、流行り病が村に蔓延しているとの理由で断ってきた。





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