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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
部屋の中には数人の小さな子供がいた。子供たちの視線がハルとナツに集まる。
その中のひとり──とても見覚えのある顔立ちの子が、ふたりに目掛けてその小さな身体で駆けてきた。
「ハル兄! ナツ!!」
ふたりの手を取って、ぴょんぴょんと可愛らしく跳ねている。
「え……」
ハルもナツも瞠目している。
くりっとした瞳、子供らしい下膨れのふっくらした頬。ハルにはハッキリとその姿に覚えがあった。
「シ……シズ!?」
「しーちゃん!?」
ほぼ同時に兄弟は叫ぶ。
そうなのだ。彼女は浚われて、ふたりが追い求めてきた葉山静流──その人だった。
シズは本来アラサーだ。但し諸事情があり、心は17歳なのだが。しかし眼の前にいる彼女はどう見ても5~6歳といったところだろう。
「見て見て! あたし、もうアラサーじゃないんだよ!! 若返っちゃった!」
(いやいやいや! 若返ったって域じゃねーだろ!)
驚愕して言葉を失うハルの横で、暢気なナツの声がする。
「ふふ。しーちゃん可愛い。お人形さんみたいだね? どう? 僕と向こうでお人形遊びしない? しーちゃんっていう可愛いお人形さんで着せ替えごっこしようよ」
ナツの順応力の高さにも驚愕する。……順応力以前の問題のような気もするが、ナツのことはとりあえず置いておこう。
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