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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
西洋人形が着ているようなヒラヒラしたドレスを纏ったシズはシズで「可愛い」という言葉が嬉しいのか、ドレスの裾をはためかせてクルクルと回っている。
ハルも彼女の姿を可愛いと思い、つい抱きしめたくなる衝動に駆られるが、どうにか堪えて怒声を上げる。
「おい、この状況を誰か説明しやがれ!」
するとひとりの少年──彼も年の頃は5~6歳だろう──がハルの前に進み出る。
月色の髪と琥珀色の瞳の美少年はじっとハルを見上げる。
「──それについては俺が説明しよう」
「お……お前……レオか!?」
到底信じられないが、少年は紛れもなくレオだった。いくら容貌が変わろうとも、纏う気品は彼そのものだ。
「まぁ、なんだ……。とにかく座って話そう。ジョシュア、彼らにもお茶を」
「はい、かしこまりました」
ジョシュアと呼ばれたのは、最初に出迎えた少年だ。ハルの記憶では、ジョシュアも立派な青年だったはず。
一体なにが起こっているのだ、と疑念の渦にいるハルの傍らで、ナツはシズのスカートを捲るというおイタをしていた。
「しーちゃんのツルツルな下のお口、僕に見せて?」
そんな不謹慎極まりないセリフを吐く弟の首根っこを掴み、ハルは自分の横に座らせた。
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