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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待
森へ入ると、まるで誘うように奥へと向かって一本の道が続いていた。もっと道なき道を歩かされるのだと想像していたハルは、警戒しつつも先頭に立ってその道を歩いた。
暫くお子様討伐隊を引き連れて歩いていたハルは、ふと歩みを止める。前方に人影が見えたからだ。
「おい、あれ」
レオに顎でそこを見ろと促す。
「あれは……偵察にいった兵じゃないか」
道の脇に転がる兵たち。レオは彼らに駆け寄った。それに続いてジョシュアも駆けだす。
「おい、しっかりしろ!」
「レオ様。皆眠っているだけのようです」
ハルも彼らの脇に膝を落とし、脈を取ってみる。すると規則正しく鼓動を打っている。瞼を押し上げても瞳孔も開いてはいなかった。呼吸の乱れもない。
「たしかに寝てるだけだ。けどなんでこんなところで……」
周囲を見渡しても、木々が生えるばかりで特に変哲はない。だが疑問に首を傾げたときだった。
ハルの視界がぐらりと歪み、急激な眠気が襲ってきた。
「な……んだ、これ」
ハルは地面に手をつく。一瞬でも気を緩めれば、眠気に呑まれそうになる。
「ハル兄!? どうしたの!?」
駆け寄ってくるふたつの足音。ひとつはドシドシと重たそうだ。ハルを挟んでシズとナツが不安げに顔を覗き込んできた。
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