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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待




 間近でそれを見ているシズは、ボボボと音がしそうな勢いで赤面し、ナツはあんぐりと口を開け、アリエッタはレオによって眼を手で覆われ、レオとジョシュアはまじまじと眺めている。


「やめ……んっ、……ふぅ……、んぁっ……」


 セレンの抗議も口づけで呑み込み、黙らせる。


 どのくらい口づけを交わしていただろうか。遂にセレンは膝から崩れ落ち、床にぺたりと座り込んでしまう。


 それをハルは唇に残る唾液を親指で拭い、勝ち誇った顔でニヤリと見遣る。


「はっ! 情けねーな、これしきで。魔女が聞いて呆れるぜ」


 熟れた顔でわなわなと震えていたセレンは、ハルに小馬鹿にされて涙を滲ませる。


「煩い、煩い、うるさーい!! あんたなんか絶対赦さないんだから! 覚えてらっしゃい!!」


 セレンは安いセリフを吐くと、立ち上がって逃げるように邸の奥へと消えていった。それを見ていたハルはややすっきりとした表情だったが、「あ」と声を上げる。


 悔しがらせるのが目的だったわけじゃなかった。シズとナツと、ついでにこの国の住人たちにかけられた魔法を解かなければならなかったのに。


 面倒くさいがシズとナツのために追いかけるか、と思った矢先。


 眼を開けていられない真っ白な光が辺りを包み込んだ。





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