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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱
母はアリエッタと結婚してからというもの、彼女にご執心だ。手の離れた息子より、打てば響く彼女が可愛くて仕方ないのだろう。
それに母が娘を欲していたのはレオも知っている。ただし、誰でもいいわけではない。
アリエッタは淑やかで控え目で、周りに気を配れ。そして変に媚びたりしない。
そんな彼女だから母は気に入り。母とアリエッタが出逢った当初から娘同然に思っていたようだった。
アリエッタが本当の娘になってからの喜びようは、大袈裟なほど。
アリエッタをなにかにつけては呼び、自分の友人が集まるサロンに連れ出したり、はたまた何日もかかる場所へと連れていったり。
オペラも今日が初めてではなく、以前も何度か鑑賞しにも行っていて。
母とアリエッタが出掛けているということは、必然的にレオが彼女と過ごす時間が減るということで。
この三ヶ月、まともな新婚生活を送れていないのだから、溜め息だって出るのも仕方ない。
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