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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱
第一にアリエッタが娘になるのを半年も遅らせてしまったからだ。
アリエッタが忽然と姿を消し、途方に暮れるレオを初め母は気遣った。
「必ず見つかるわ。だから諦めてはだめよ」
と、元気付けてもくれた。
しかし心配の限界を突破し、焦れてきた母の矛先がレオに向けられた。
「あなたに山ほど求婚の手紙が届いてるのだけど? でも私、お嫁に来てくれるのはアリエッタがいいわ」
「あーあ。レオがアリエッタをしっかり捕まえておかないから」
などと、傷に塩を塗り込むような言葉をねちねちと言うようになってきた。
これには参ったが、無事にアリエッタが見つかり結婚まで至り。母の機嫌は上々になったものの、待たされた分を取り戻すかのよう、アリエッタを溺愛し始め。
「待たせたのだから、文句は言わないわよね?」
と、無言の圧力をかけられ、口をつぐむしかないのだ。
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