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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱


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「で? なぜ母上とアリエッタはまだ帰ってきてないのですか?」


「いやぁ、私に言われても……」


「父上以外に誰に言えと?」


 王専用の執務室で、オペラに行くと言って出掛けたきり、三日も帰ってない母とアリエッタへの不満を父にぶつける。


 父はレオに睨まれ、視線を泳がせている。


「王妃からの使いが来たときに、私は帰るように手紙を持たせたんだぞ?」


「だから父上に非はない、と」


「う、うむ……」


「……大体普段から母上を野放しにしているから、父上の言うことをきかないのでは?」


 いっそう強く睨み下ろし、咎める。


「母に対して野放しなどと言うものじゃない」


 弱りながらも反論する父。しかしレオは畳み掛ける。


「では放し飼いですか? 父上がしっかり手綱を握っておられれば、母上がああも好き勝手に振る舞うこともなかったのですが」


 ドンと机を片手で叩き詰め寄ると、父は頬を指で掻いた。






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