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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱
「──あの人は一体なにを考えてるんですか」
祖父の元へと戻ったレオが酒を一気に煽り、愚痴を溢すのも致し方ない。
「はっはっは! リタが滅茶苦茶なのはお前も知っておるだろ」
「笑ってないで、お爺さまからもなんとかおっしゃってください」
「無理、だな。ワシが言ったところで、言うことを聞く性分じゃないだろう」
「じゃあせめてお婆さまにだけでも」
「尻に敷かれてるワシにそれを言うか?」
胸を張って言わないでほしい。尻に敷くのは家系か、と頭を抱えたくなる。
「……私もアリエッタも母上も、立場があり暇でもありません。何日も王城を空けるのは善くないと、お爺さまもおわかりでしょう」
「それなんだが……ワシの体調が芳しくない」
「は……?」
聞き間違いだろうか。酒をかっ喰らっている祖父が、己の体調の不調を訴えている。真実ならば、すぐにでも休ませなければ、と祖父の顔をまじまじと見ていれば。
「ということになってるらしいぞ。城では」
「…………」
レオはまた頭を抱えたくなった。否、今度は体現した。
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