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隠匿シリーズ☆番外編
第3章 ご主人様の裏の顔



 光が遮断される真っ暗な空間。


 橙色の仄かな光に浮かび上がる顔が物々しい雰囲気を纏い。


「……女はこの世に怨みを遺し、神の元へと逝けず、未だ彷徨っていて」


 にやり、浮かび上がる顔が口許を歪める。


「身なりのいい男を夜な夜な襲っては、こう言うんだ……」


 ごくり、生唾を飲む音が暗闇から聴こえる。


「“お前も道連れにしてやる!”……って」


「なにやってるんだ?」


「きゃあぁぁぁぁ──っ!」





 サッと開かれたカーテンから、眩しい光が射し込んだ。


 そこにはソファで抱き合い震えるアリエッタとナキラ、オイルランプを持つキッシュがいて。


 それを呆れたように眺めるレオと、カーテンを開いたジョシュアの姿があった。


「あ、レオ様。お早いお帰りで」


 えへへ、と笑うキッシュにレオは詰め寄り、おもむろに頭部を片手で掴み顔を寄せる。


「アリエッタを怖がらせるなんて、いい度胸だな」


 キッシュにしか聴こえない低く抑えた声で唸り、頭部をぐっと握られた。


「あだだだだだーっ!」








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