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隠匿シリーズ☆番外編
第3章 ご主人様の裏の顔
「──なるほどな。実は俺のところにも被害報告が届いてる」
「じゃ……じゃあ噂は本当なの?」
「やばいやばいやばい……!」
レオが頷くとアリエッタはいっそう怯え、ナキラはブツブツと青い顔で同じ言葉を繰り返す。
「うわー! 亡霊っているんだ!?」
キッシュは所詮他人事だと食い付いた。
「さぁな。いるかどうかは知らんが、女に川へと引き込まれただの、脅かされただのとの訴えがあとを絶たん。兵を送って調べさせてはみたが、女にも好みがあるのか兵の前には姿は見せなかった」
「そりゃあ“身なりのいい男”──貴族の男に恨みがあるって噂ですしね!」
僕には関係ない、とキッシュは能天気に話す。
「らしいな。そこで今夜俺とジョシュアが亡霊騒動の解決に乗り出すことになった」
「レオが!? そ、そんなことして平気なの?」
「今のところは命に関わるような事態にはなってないから平気だろ。けど万一命を落とすような被害が出てからじゃ遅い。民の平穏を守るのも俺の役目だ。噂の真偽を確かめるためにも行ってくる」
「でも……」
レオになにかあったらと不安なのだろう。アリエッタはレオの上着をギュッと握った。
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