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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
アリエッタはカーシーの気遣いに感謝しつつ、バラを受け取る。
「本当に綺麗ね」
ふわりと笑うアリエッタにカーシーがますます頬を染めるのに、アリエッタは気付かない。
「棘は抜いてありますので……」
消え入りそうな彼の声。アリエッタは棘までも取り除いてくれた細やかな気遣いにも感謝し、その言葉を彼に送って早速飾ろうと城へと戻った。
と、そこへ侍女がアリエッタにレオが呼んでいると伝言を持ってやって来た。
「じゃあ、このお花お願い出来るかしら」
公務などの用件次第では長くかかることもある。バラを持っていけば、萎れてしまうかもと侍女に渡し、レオのいる執務室を訪ねた。
重厚な机に座るレオはなぜか不機嫌そうに見えた。
「レオ? 呼んでたって聞いたけど……」
難しい仕事をしているのだろうか。ならば改めて来たほうがいいかと、控えめに声をかける。
「ああ、呼んだ。で、もらった花はどうした?」
「……え?」
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