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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
アリエッタが花を貰ったことをレオはどうして知っているのだろうか……と考えるが、答えはすぐに解る。
レオの座る机の向こう側にある、広い出窓からは庭園が一望できる。たまたまその現場を目撃されていたのだろう。
「花瓶に飾ってもらえるようお願いしたけど……どうして?」
「ふぅん。……こっちにおいで」
アリエッタの問いには答えず、レオは手招きする。
彼の醸し出す不穏な雰囲気に警戒しつつ、アリエッタは従う。
するとレオは立ち上がり、軽々とアリエッタを抱き上げて出窓へと腰を降ろさせ、両腕を窓についてアリエッタを囲う。
「あ、の……?」
間近に迫るレオの美貌。胸の高鳴りは、この場合においては警戒心からだった。
「他の男から花を貰うとは……。俺を妬かせて、自制心を試してるのか?」
「ち、違うわ。ただ綺麗に咲いたからっていただいただけよ」
「わざわざキミに直接? そこに他意があるとは思わないのか」
「馴れない王城の生活の慰めになればって……。他意なんてあるわけないわ」
アリエッタはきっぱりと言い切った。
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