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隠匿シリーズ☆番外編
第1章 愛ある行為もほどほどに
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「ナキラ! ナキラいないのか!?」
「はーい! ここにおります、アリエッタさ……じゃなかった。レオ様」
レオに呼ばれてパタパタと急いで来たナキラ。澄まし顔をしてはいるが、堪えきれていない笑いが口許に滲んでいる。
レオは視線でそれを咎めるが、どうにもアリエッタでは迫力がないのかナキラは小鼻をひくつかせてやはり我慢しきれない様子だ。
「いつまでも笑ってると連れてってやらないぞ」
「どこか行かれるんですか?」
「ああ。こんな機会滅多にないからな」
「え、でも……。アリエッタ様はどうするんです? あの状態ではお出になるのは難しいんじゃ?」
「アリエッタは置いていく。あんなオドオドする俺を公衆の面前には出せんだろ」
「放っておかれて大丈夫なんですか?」
「いいんだ。俺が近寄るだけで嫌がる」
ああも拒絶されると流石に落ち込む。執務も急ぎのものはないし、気晴らしに外へと出ることにしたのだ。
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