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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
レオはたまにわざとのように、アリエッタをからかい、恥ずかしいことを平気で口にする。
夫婦なのだから、身体を合わせているのは周知だとしても、なにも人前で匂わせるような……あからさまな表現をしなくてもいいのに。
これまでに溜まりに溜まった鬱憤とレオの迂闊な一言に、ついにアリエッタの強固な堪忍袋の緒が切れるときがきた。
それはとても静かに起こっていた。
くるりと反転し、適当なドレスを掴む。そして一言。
「二人とも、出ていってくださる?」
にこりと不気味な笑みを湛えるアリエッタに、和やかに会話をしていた二人から生唾を呑む気配がした。
「アリエッタ……?」
「いいから、出ていって。ね?」
有無を言わさぬアリエッタ。さすがのレオもまずいと思ったのか、月色の髪を掻いてナキラを伴い出て行った。
残ったアリエッタはそっと決意した。
今回ばかりは流されず、曖昧にもせず、断固戦う、と。
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