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隠匿シリーズ☆番外編
第4章 女たちの反乱
馬車の中では非常に気まずい空気が漂っていた。しかしアリエッタは澄まし顔でやり過ごす。
レオがあれやこれやと話し掛けてきても、素っ気なく対応して。
弱り果てるレオにちくりと胸が痛むものの、ここでうやむやにしてしまえば、恥ずかしいことを強要され、人前で辱しめられの繰り返しだ。
決意のままに振る舞うアリエッタはいつもの弱々しさはなく。それが更にレオを弱らせていたのだが──。
このあとアリエッタの予想だにしなかったことに巻き込まれることになった。
他国語の教養を終え、ダンスのレッスン会場のダンスフロアに向かう最中、肩を怒らせて歩く王妃と出会した。
一目で何かがあったと見て取れる王妃にアリエッタはどうしたかと聞けば。
「王様と喧嘩したの!」
怒り心頭な様子で頬を膨らませる。
「お義母さまも……?」
つい、アリエッタもレオと喧嘩していることを口を滑らせてしまう。
「え? アリエッタも?」
「は、はい……」
内容までは告げなかったが、王妃は思考を巡らせ、アリエッタを引っ張っていく。
「妻の威厳、見せてやりましょう!」
そう言って止める間もなく外へと連れ出され、馬車に詰め込まれた。
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