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透明な黒
第2章 マリ
お風呂を出てドライヤーを当てていると
何やらキッチンからいいにおいが……
「マリのやつ、本当に飯作ってんだ。」
なんか久しぶりに誰かと飯食うな……
なんだろこのあったかい感覚。
「あっ。烈の席ここかな?
食べよう!」
四人掛けの食卓。
いつもここで一人で食べていたが
今日はマリと一緒だ。
白いお皿の上にはマリの手作り料理。
冷蔵庫にたった1個余っていた鶏肉をカラッと
揚げておいしそうな唐揚げになっていた。
「あんまり食材なくてこれしか
出来なかったの。」
「いや……上手そうじゃん。」
「本当に?早く食べて。」
その日の夕飯はマリと他愛のない
話をしながらとても充実した
食事になった。
何年か前もこうして皆で食卓
囲ったな……
それが今、出会って2回目のマリと
囲んでると思うと面白かったが
烈の心は何故か満たされた。