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透明な黒
第3章 共同生活
次の日。
烈はいつも通り7時に目覚めた。
窓からは眩しいくらいの朝日が
入り込みリビングを明るく照らす。
「っ……ねむ……」
烈は朝が弱い。
「起きた?」
ひょこっと烈の顔を覗きこんだのはマリ。
え????
「……っ!そういえば泊まったんだっけ……?」
一瞬、何でマリがいるんだと思ったけど
よくよく考えれば泊まってたんだ。
焦った……。
「烈おはよう。」
「ん……」
「眠そうだね。」
「あぁ。」
どさっ。
そのままマリはソファで寝ている烈に覆い被さる。
「っおい。離れろ。」
「ぎゅっとしたいの。だめ?」
「いいから離れろよ」
何なんだよこいつは……。
しかし強くどけとはいえない烈。
「迷惑?」
「ってか付き合ってもないのに
こんなことするのはどうかと。」
「そんなの形だけじゃない。
私はそーゆうの嫌い。」
マリの胸が俺に押し付けられるように
ぷにぷに当たる。
……また誘ってんのかこいつは。
「その形が大事なんだろーが。
それに当たってるし。我慢出来なくなるから
やめてくんね?」
「烈もふつうの男の子なんだね。
こうされるとむらっとしちゃう?」
「当たり前だろ。それが男なんだから
あんまり誘ってくるな。」
一体、マリは何が狙いなんだよ。
寂しい時体を重ねるって言ってたけど
今、寂しいのか?
「……そろそろ準備するから、どいて。」
名残惜しそうにマリの体が俺から
離れる。
「マリも学校だろ?一回家帰って
準備した方がいいんじゃないの?」
「私、今日学校ないの。」
「無いならないで、とにかく帰ったら?」
「烈、そろそろ時間やばくない?
早く行ってきたら。」
話を反らすようにマリが言った、
時計を見るともう家を出ないと……
「やべ。とにかく今日は帰れよ?」
そのまま烈は急いで支度をすませ、
学校へと向かった。
マリを残して。