この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
透明な黒
第3章 共同生活
学校につくともう既に
始業チャイムは鳴り終わったみたいで
完璧遅刻だった。
烈はあきらめて下駄箱から走るのを辞めた。
……。遅刻だから一回職員室
寄らないとダメか。
「めんどくせぇな。」
ポツリと呟いて廊下を歩く。
すると見覚えのある後ろ姿が……。
「聖貴!」
まえを歩いていた人物は振り替えるなり
「おう。」と軽く手をふった。
「久しぶりだな。」
「あれ、烈遅刻なの?珍しくね。」
烈と話しているのは聖貴。
滅多に学校に来ないくせに
ちゃんと進級してるやつ。
両耳にはたくさんのピアス。
見た目はけっこう厳ついが
性格はとても優しい。
「聖貴こそ珍しいな。
今日は登校する気になったのか?」
「まっ、気まぐれだよ。」
はははと仲良く笑いあう二人。
唯一、烈が友達と呼べるのが聖貴なのだ。
「烈、屋上いこうぜ。」
聖貴に誘われるがままに屋上へ。
まっ。たまにはサボってもいいか。