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透明な黒
第3章 共同生活
屋上で寝そべる二人。
…………。
「最近調子どう?」
セッターに火をつけながら聖貴が言った。
「別に何も。」
「烈は相変わらずだな。」
「聖貴こそいつも休んでるとき
何してんの?」
「へー気になるんだ。まっいろいろだよ。」
ふわっと煙が上に昇ってく。
二人の会話はいつもこんな感じだ。
烈はふと浮かんだ。
最近変な女に付きまとわれてる事が
あったじゃないか。
それを聖貴に、話そう。
「聖貴、女ってどう思う?」
「お?できたのか?」
「いいから答えろよ。」
「女かぁ~…何考えてるか
わかんないからなぁ。まっ、惚れたら
俺は大事にするけどな。」
いかにも聖貴らしい。
「ってかさ、女って寂しい時にヤりたがるのか?」
「何?烈やったの?」
「ばーか。なわけないだろ。」
烈はマリとの情事を思いだし照れ臭くなる。
そういえば、俺初めてだったのに
やけに興奮してたな……
マリに欲情したってことなのか……?
「俺の経験からして大抵、すぐ股を開く
ようなやつは頭がおかしい。
烈もそう思うだろ?」
うーむ。確かにマリは変わってる。
あの日雨宿りしてから急激に距離が
縮まりすぎて気づかなかったが
初めからそのつもりでマリは俺に近づいてきた……?
いやいや。そのつもりって何だし。
俺の体目当て?
ふん。バカらしい。
「烈聞いてる?」
「あっ、悪い。」
「まっでも。烈も童貞卒業出来て
よかったな!」
聖貴には全てお見通しのようだ。
「う、うるせ!ヤったなんて
誰が言った?!」
「烈は本当にわかりやすいなぁ、ははは。」
屋上でしばらく二人は
言い争っていた。