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透明な黒
第2章 マリ
俺はマリの眼差しに吸い込まれた。
その上目遣いから何故か目を離せなかった。
「烈。今日はバイトないの?」
「ない。」
「なら烈の家に行っていい?」
「……?は!?」
マリは無邪気に言っていたが今、
何て言った……?
「烈と一緒にいたい。
あっ、でもお母さんとかに迷惑かしら?」
「いや、俺んち誰もいないけどさ……」
本当に家に行きたいって言ったんだ……
まだ会って2回目。
時間で言えば一時間位しか一緒に
過ごしてないのに何なんだこの展開は。
「あのさ、何考えてんの?」
俺は率直に聞くことにした。
女の考えてることはわからん……。
「烈の家にいって、一緒に過ごして、
仲良くなれたらいいなと思ったの。」
「何で仲良くするわけ」
まったく、マリが考えてることは
わからない。
確かに俺もマリに出会った日、
頭から離れなかったけどそれは
不思議な人だな。という意味だけだったし。
仲良くする必要があるのか……?
「烈の事もっと知りたい。」
「いや、知らなくていいから。」
マリが黙った。
…………。
あきらめたのか???
「きっと夢中になるわ、烈。」
「……どういう意味だよ。」
「いいから早く行きましょう?
案内してちょうだい。」
マリに腕を組まれ、半ば強制的に
家に行くことになった。
「そんなくっつくなって。」
マリは俺の腕にぴったりくっついている。
端から見れば高校生バカップルにしか
見えないだろう。
「いいの、これで。」
いうこと聞かないやつだな。
しばらくして俺の家の前についた。