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透明な黒
第2章 マリ
烈がお茶を持って部屋に戻ると
マリはベットの上でちょこんと体育座りを
していた。
窓辺の方を向いているから良いものの、
こっちを向いて体育座りをしていたら
あの赤い下着が丸見えだろう。
「お茶、置いとくぞ。」
テーブルにコップを置くと氷のカランと
した音がなった。
「ありがとう。」
マリが烈の方を向いた。
「……。」
もちろん下着は丸見えで。
烈は平静を保つが目のやり場にこまった。
「烈って一人で住んでるの?」
「いや、母さんいるけどほとんど
帰ってこないし。
……親父はとっくに死んでるし。」
烈の母親はいろいろな男の家を転々として
過ごしている。
旦那が死んだ悲しみを他の男の腕のなかで
埋めているようだ。
幸い、遺産があるので贅沢しなければ
普通に暮らしていける。
今では一週間に1回顔を見れれば
いいほうだ。
「寂しくないの?」
「もう慣れた。」
相変わらずマリの下着は丸見えなのだが、
マリは気にした様子も見せずに
語りだした。
「私ね、いつも寂しい。」
「そうか。」
「何でだと思う?」
「いや、知らねーよ。」
俺が知るわけないだろ。
「烈は寂しい時ってどうしてる?」
「……。寂しいからって別になにもしない。
寝れば消えるだろ普通。」
烈は最初の頃こそは寂しいと感じていた。
父親を失って狂ったように遊び回る母親。
他の男の所じゃなく、俺のそばにいてほしかった。
けどその環境にも慣れて
ほぼ独り暮らしのような生活に馴染んでいった。
「私は寂しい時はこうするの。」
一つ一つワイシャツのボタンを外していくマリ。
「んなっ、何してんだよ。」
ぱさりとワイシャツを脱いで下着姿になる。
上下お揃いの真っ赤な下着。
レースの刺繍が施されていてどことなく
セクシーだった。
「あの、目のやり場に困る。」
色白の肌に映える赤い下着。
ふっくらとしている胸。
彼女など居たことない烈にとっては
刺激が強すぎた。