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ダークサイド・ムーン- 催眠術師の秘密倶楽部 序章 -
第1章 イントロダクション

母親、妹の3人家族。
父親は、去年病気で他界した。

父親は、無趣味の仕事人間だった。
父の自慢は、頑張って購入した閑静な住宅街の2階建ての一軒家だった。
毎日遅くまで残業し休日出勤もして、購入した城である。
父は、家にいる時が最高の至福の時間のようだった。

だが、無理をしすぎて病に倒れた。
入院当初は、会社の上司や部下が見舞いに来ていたが、3ヶ月もすると誰も来なくなった。

病の進行の影響もあるだろうが、人と接する事がなくなり社会から切り離された父親は急激に年老い、死んでいった。

家庭を顧みず会社に尽くしていたのに、仕事の引き継ぎや事務手続きが終わったとたん、お払い箱である。

資本主義社会の営利企業だから、仕方がないか。

僕も父親みたいに社会に使い捨てにされるのかと思うと、何もする気が起こらない。
唯一の日課が、エロDVDを見てオナニーすることぐらいだ。

出しても出しても、精子が作られ身体が重たい感じがする。

思春期の健康な男子なら普通の事だろう。
性欲を処理しないと犯罪を犯してしまいそうだから、毎日、オナニーする。

オナニーするにも、理由をつける自分が面倒臭い。

気を使って人と関わるのも面倒だ。
本当なら、学校にも行きたくないのだが、学校には行く事にしている。

それは、父親が死んでから女手一つで僕と妹を育てている母親と約束したからだ。

弓月 絵美。
僕の母親だ。
今年で38歳だが、若く見える。
2人の子持ちには到底見えない。
母は巨乳だが太ってはおらず、スタイルがよい。
母も、それを感じているのか、自分のスタイルの良さを強調するような服を好んで着る。
街を歩くと、すれ違う誰もが振り返るほどの美人だ。

母と妹はよく似ているのだが、僕は全く似ていなかった。
その事を、悪友にからかわれる。
「影虎も、お母さんに似ていたらイケメンだったのにな」
まさに、その通りだ。
ほんの1%でも似ていたら、僕の人生は変わっていただろう。

何故か父親にも、あまり似ていない。
その謎が、唐突に解けた。
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