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ダークサイド・ムーン- 催眠術師の秘密倶楽部 序章 -
第3章 出逢い
「神内さんの家に行かなきゃ。約束を守らなきゃ」
僕は無意識に呟き出掛ける用意をする。
「綺麗なお母さんだね」
部屋に招き入れた神内は開口一番、母を誉めた。
「座って」
返答に困っていた僕に椅子を勧める。
「どうして、神内さんは僕が悩んでいると思ったんですか?」
僕の前に座った神内は脚を組んで優しく微笑んだ。
「影虎君は、高校生?」
「2年です」
「特に病気もしていなさそうな高校生が休みでもないのに平日の昼間に家に居る。何か悩みがあって学校に行きたくないのかなと思ってね」
確かにそうだ。
夏休みとかでもないのに、学校に行っていないのは不自然だ。
「さっき、病気もしていないって言ったけど、影虎君は病気だよ。心の病だ」
「えっ!?」
神内は僕の眼を覗き込み指摘する。
「僕は、心理カウンセラーをしているんだ。名刺を見たから知ってるね。影虎君の心の病を治してあげるよ」
「でも、お金無いから治療費は払えないよ」
「苦しんでいる影虎君の隣に越してきた。これも何かの縁だ。治療費は要らないよ。その代わり、治ったら僕の研究を手伝って欲しいんだ」
「研究?」
「研究と言っても何も難しくないよ。危険もない。ただ僕の言う通りに動いてくれるだけで良いんだ」
「言う通りに?」
「さあ、治療を始めるよ。影虎君の事を教えてください」
神内は僕の問いには答えず、カルテが挟まれたバインダーを取り出す。
生年月日、家族構成、幼稚園の頃の想い出、小学校の頃の想い出、楽しかった事、辛かった事…過去から順に遡っていく。
中学校の頃の想い出、そして、高校入学…
だんだんと核心に近づいていく。
僕は無意識に呟き出掛ける用意をする。
「綺麗なお母さんだね」
部屋に招き入れた神内は開口一番、母を誉めた。
「座って」
返答に困っていた僕に椅子を勧める。
「どうして、神内さんは僕が悩んでいると思ったんですか?」
僕の前に座った神内は脚を組んで優しく微笑んだ。
「影虎君は、高校生?」
「2年です」
「特に病気もしていなさそうな高校生が休みでもないのに平日の昼間に家に居る。何か悩みがあって学校に行きたくないのかなと思ってね」
確かにそうだ。
夏休みとかでもないのに、学校に行っていないのは不自然だ。
「さっき、病気もしていないって言ったけど、影虎君は病気だよ。心の病だ」
「えっ!?」
神内は僕の眼を覗き込み指摘する。
「僕は、心理カウンセラーをしているんだ。名刺を見たから知ってるね。影虎君の心の病を治してあげるよ」
「でも、お金無いから治療費は払えないよ」
「苦しんでいる影虎君の隣に越してきた。これも何かの縁だ。治療費は要らないよ。その代わり、治ったら僕の研究を手伝って欲しいんだ」
「研究?」
「研究と言っても何も難しくないよ。危険もない。ただ僕の言う通りに動いてくれるだけで良いんだ」
「言う通りに?」
「さあ、治療を始めるよ。影虎君の事を教えてください」
神内は僕の問いには答えず、カルテが挟まれたバインダーを取り出す。
生年月日、家族構成、幼稚園の頃の想い出、小学校の頃の想い出、楽しかった事、辛かった事…過去から順に遡っていく。
中学校の頃の想い出、そして、高校入学…
だんだんと核心に近づいていく。