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仔猫と狼
第12章 微妙


自分の意外な性癖に多少驚きつつも、今日の予定を思い出す。







「今日は…、雑誌の取材か…。」













最近はこういう仕事も声優がやるようになったけど、モデルや俳優と違ってスタイリストがつかないから服装考えるの面倒なんだよなぁ。











「はぁ…。」












ため息を吐きながらソファから立ち上がり、ペットボトルを片手に持ったままクローゼットに向かう。







クローゼットの扉を開き引き出しから紺色のボクサーを取り出した。










いつまでもふるちんでいる訳にもいかないから、服を決める前にとりあえずパンツを履こうと思ったが片手に持ったペットボトルが邪魔だ。







「…。」









中身はそう残ってない。









俺は一気に中の水を飲み干し、空になったペットボトルを俺の精液まみれのシャツが入ったゴミ箱に投げ捨てた。










それからパンツを履き、今日の服装を考える。








今回の取材テーマが『イケメン独身男性』だっけ?









ってことは、女受けがいい服装か…。









声優関係ない仕事は正直やる気が起きないし、不愉快でもある。









声優なら声で勝負したいし、声で人々を魅了したい。











ま、自分からそういうプライドを捨てて、こんな泥沼みたいな世界に落ちたんだけどな。










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