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仔猫と狼
第12章 微妙
女のための服装なんて考えるの面倒だ。
いつもは山田が出した服を着て取材を受けていたし、そもそもこういうことを考えるのは苦手だ。
山田に連絡しようと思ったが、あいつは今日新人の売り込みに行っている。
他にも何個か打ち合わせがあるって言ってたな。
サブマネがついたからって、山田は今まで以上に会社の儲けを増やそうと奔走している。
流石というか、なんというか…。
まぁ、あいつのおかげでうちの事務所立て直して、ここまで大きくなったからな。
悪くは言えない。
仕方ない、そのサブマネである片岡に連絡してみるか。
俺は、連絡先一覧から片岡の名前を探しだし電話をかける。
「あ…。」
今日平日だ、あいつ学校か。
そう気が付いたのは、片岡が電話に出る直前だった。
「片岡です。」
なんとも業務的な対応だった。
「鳥居だ。」
そう名乗ると戸惑った反応が返ってきた。
どうやら、山田からの電話だと思ったらしい。
まぁ、なんでもいい。
取材までのアフレコの仕事もある。
さっさとどんな服装がいいか聞こう。
「お前は俺が普段どんな服を着てると思う。」