この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
仔猫と狼
第13章 距離
スタジオから出るために駐車場に停めてあった車に乗り込んだところで、携帯にメールが来ていることに気がついた。
メールの送り主は片岡だった。
サブマネージャーの仕事は休みだと伝えたはずなのに、俺のスケジュールについての連絡事項を書いて送ってくれていた。
お疲れ様です。
本日のお仕事はスタジオでのインタビューが最後です。
明日は鳥居さんがレギュラーの収録が3本続けて入っております。
宜しくお願いします。
それでは、失礼しました。
片岡
なんとも、真面目な文章だ。
俺は車を発進する前に返信をしようと新規メールを開いた。
今日は服装についての意見参考になった。助かった。
…俺は何を打っているんだ。
「はぁ。」
先ほど打った文章は削除し、了解っと簡潔な2文字を打ち送信した。
送信完了を確認し、俺は帰宅するべく車を発進させた。
家についた俺は、風呂にも入らずベッドで横になった。
なんだか今日はいつも以上に疲れた気がする。
俺はそのまま目を閉じた。