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仔猫と狼
第14章 進行
「片岡なら6時頃に来るぞ。」
高瀬が言っているのは暗に片岡の事だと思ってそう答えたら、高瀬はとても意外そうな表情をした。
その表情を隠す事なく言葉をこぼした。
「まさか鳥居さんからそんな言葉を聞けるとは…。」
そうとう高瀬には意外だったようだ。
なぜならいつもの猫撫で声や態度の一切の演技をしていなかったからだ。
「何をそんなに驚いているんだ?」
驚いている理由の分からなかった俺は素直にそう質問をした。
「いえ…。その…。」
高瀬は少し言い淀んだが、すぐにはっきりとその理由を口にした。
「話に聞いていた鳥居さんとはまったくの別人のようでしたので。」
高瀬は周りのスタッフに聞こえないように表情は崩さず答えた。
「一体、どんな悪い噂が流れていたんだか…。」
すこしおちゃらけて答えると、聞いた訳でもないのに高瀬はあっさり噂の内容を教えてくれた。