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仔猫と狼
第14章 進行










自分の右肩に乗った手を辿るように、その手の…声の主を見上げた。















少しムッとした、でも優しさのある表情をする鳥居さんにあの日の姿が重なった。













惚けるように鳥居さんを見上げていると、困ったような表情をされ頭を撫でられた…。


















再び下を向くように仕向けられたことに感謝したい。
















触れられた所が熱い…。















なんだか顔まで暑くなって気がする。



















「んじゃあ、空気もいい感じになったし、片岡ちゃんも来たし!録音再開しようかぁ。」











「監督俺も来たよ!」














監督の言葉に結城さんが笑いながら答え、録音を再開する運びとなった。
















まず、遅れて来た私と結城さんがテストを撮る。













そのまま台詞がほとんどない私と、主人公役の鳥居さんが入り本番を録った。
















猫役だけの私は、早々に録り終えて、他の方々の録音を勉強させてもらった。













やっぱりどの方も、すごい…。









PR用だから、物語としての感情変化があるわけじゃない。











なのに、確かにそこにそのキャラクターがいる。










私は、音声監督がニコニコしながらこちらを見ていたことにも気がつかず、収録が終わるまで食い入るように見入ったのだ。












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