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仔猫と狼
第15章 足音









収録が終わり、一緒に収録した他の声優やスタッフにお疲れと声をかけつつブースの外にでると、監督と片岡が並んで座っていた。


















並んで座っている監督はいつも通りだったが、片岡は手をぎゅっと握りしめしたを向いていた。
















まさかと思うが、セクハラされてるのか…?















収録現場に女子高生なんて存在なかなか来ることはない。













それで、つい…なんて。













心配になりそっと近づこうとしたら、監督と片岡がなにか話しているのが聞こえた。















「なにも残せなかったかな。」















その監督の言葉に片岡は苦しそうに、『はい。』と答えた。













セクハラではなく、二人はなにかを話しているようだった。












とりあえず、声をかけることはやめ様子を見ることにした。














「それは、ノートになにもメモしなかったから?」















監督の言葉通り、片岡の手元にあるノートは真っ白だ。

















片岡は監督の言葉が事実であることを認めてなにも言えないようだった。

















なにも応えない片岡を気にせず監督は話しを続けた。














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