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仔猫と狼
第15章 足音
俺の欲と血塗れなソレを口にするのは相当キツイだろう。
今度こそ仕返しになると子供じみた考えに自分で嫌になる。
片岡が涙を流し顔をぐちゃぐちゃにしながら、我慢しているようだったが、血の味には我慢できなかったようだ。
ソレを口にしたまま嘔吐した。
流石に俺もその姿をみて冷静になった。
片岡は吐くだけ吐いたら、壁に頭をぶつけながら崩れ落ちた。
その姿はまさに…。
俺は、自分の無様な格好なのを忘れ、吐瀉物で汚れるなんて考えないで片岡の身体を抱きしめた。
「ごめん…、ごめん…。」
俺は、自分がいかに愚かなことをしたか後悔し涙が溢れてきた…。