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仔猫と狼
第3章 伝えたいのに…
突然、彼女が顔をあげて山田に自分にできるのかと聞いた。
その顔は、先程とは打って変わり、真剣な表情だった。
俺のようだと思ったのに、全く違って。
何故だか、すごくイライラしたんだ。
だから
「あぁ。あんた…いや、美鈴さんなら出来ますよ。」
そう言ってやった。
俺は、この女を俺のいる泥沼まで引きずり落として捨ててやろうとこの時決めたのだ。
初めから、この女を落とすことは仕事だった。
なら、山田にバレることは無いだろう。
片岡美鈴の身も心も俺無しでは生きられないようにしてやる。
その、希望を見つけたような姿じゃなく、絶望する姿に変えてやる。
俺は、お前が大嫌いだ。