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仔猫と狼
第5章 謎のもやもや
私は、鳥居さんの彼女じゃないからという発言に安心してしまった。
だから思わず、そうですか…なんていってしまったんだ。
鳥居さんに今彼女がいないとわかって嬉しいと思ってしまう私は、なんて嫌な奴なんだろう。
落ち込んでいると、鳥居さんの左手に私のカバンがあった。
「あ…。それ…。」
「ん?あっあぁ、そう。これね。玄関に落としていってたから拾ってきた。」
そうか、驚いて衝動的に飛び出したから落としたのに気がつかなかったんだ…。
「わざわざすみませんでした。」
私は、深々と頭を下げた。