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仔猫と狼
第5章 謎のもやもや
「お「鳥居さん。仕事に遅刻しますよ。急ぎましょう。」
え?
彼女は、俺の言葉を遮ろうとしてきた…?
…気のせいか?
まぁいい…。
「ああ、そうだったな。…駐車場に行くぞ。」
「え?」
「んだよ。」
「鳥居さん…免許、持っていたんですね…。」
意外だったらしく、驚いたような表情をしてこちらを見ていた。
「あ?当たり前だろ?」
「公式プロフィールには載っていなかったので…。」
「何?俺のこと、調べたの?」
こいつ、俺に惚れてんの?
なんてからかったら面白いかな。
「はい。これから仕事をするには相手のことをよく知らないといけませんから。」
っち。
ただの真面目ちゃんかよ。
『本当は、大ファンだからプロフィール全部覚えてる…なんて言えないしね…。』なんてつぶやきは、俺には聞こえなかった。
思い通りにいかないことにもやもやしているのだと納得した俺は、彼女を連れマンションの駐車場に向かった。