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仔猫と狼
第6章 明らかな敵意
私が不甲斐ないばかりに、山田さんが機転を効かせてねくれた。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
鳥居さんの優しい声も、今は嬉しくなかった。
目を合わさないで、返事を返していたら突然鳥居さんに抱き寄せられた。
「ふぇ?…え、えぇ!と…鳥居さん⁉︎」
「ん?」
慌てる私に鳥居さんは、どうした?と首をかしげる。
その時の、あまりに近い鳥居さんの顔に思わず目をそらした。
恥ずかしい…。
ゾクッ
顔から火がでるほど照れていると寒気がした。
まるで猛獣に目をつけられた獲物のような気持ちになった。
「立てるか?」
「は…はい…。」
どうやら、突然抱き寄せたのは、私を立たせてくれる為だったらしい。
そりゃ、そうだよね。
何、恥ずかしくなってたんだろう。
反省していると、可愛い声に話しかけられた。