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仔猫と狼
第7章 突然やってきた




「別に俺に許可を取る必要性はないだろ。」



「…。」



「やりたきゃやればいい。声優になるかならないかはお前が決めることだ。」



どうせ、あの堅物がこいつを使うってことは試しているだけだ。


声を気に入ったというのは本当かもしれない。


だが、本当に使えるかは別だ。


ここで失敗して、使えなければおさらば、使えたら新人声優という面でこの作品に注目が集まる。


こいつが失敗したところで、あのおっさんに利があっても害はない。



そういうことだろう。




なら、今こいつがそのチャンスを掴もうとしているなら、俺が言うことはなにもない。





「…はい。」






俺の言葉に少し戸惑った表情をみせ、そして何かを決めたように返事をした。





そして、そいつは結城や高瀬に向かい深々と頭を下げた。






「皆さん、突然の参加になってしまい申し訳ありません。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、精一杯頑張りますのでよろしくおねがします。」






果たして、こいつはこのチャンスをものにできるのか。



なぜだか俺は、少しワクワクしていた…。













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