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仔猫と狼
第7章 突然やってきた





あいつの、美鈴の初めての録音は上出来だったと思った。





あのおっさんプロヂューサーもこれなら文句ねぇだろ。









美鈴は、うまくいったことが嬉しかったのか終わった後はとてもニコニコしていた。







でも、俺は見逃さなかった。






俺のキャラクターが猫を拾ったときの、あいつの声は本当に嬉しそうで、泣きそうになっていたことに…。











そこまで、感情移入していたのかと思ったが、違うものを見ているような気がした。






お前は、何を見ていたのか…。





しかも、その後あいつは俺の目を見ようとはしなかった。





目をそらすと、嬉しそうで泣き出しそうな…そんな複雑な顔をしていた。










俺が関係しているのか?





あいつは、俺に何を隠している。








いつもなら他人の秘密なんてどうでも良かったが、今回はむかついた。








あいつには、むかついたりいらいらしたりばっかりだ。






そのことにさらにいらいらした。








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