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仔猫と狼
第8章 勘違い
高瀬の言葉に俺も片岡も驚いた。
「高瀬さんが誰かを誘うなんて、珍しいじゃん。片岡さんを気に入ったの?」
びっくりして、反応できない私と鳥居さんの代わりに結城さんがおちゃらけた様子で質問をした。
高瀬さんは、気にせず笑顔で答えた。
「内緒です。」
「えっと…、あの…。」
私は、どう答えたらいいのかわからず、鳥居さんの方をちらりと見た。
「…なに?」
「な…なんでもないです。」
気のせいか鳥居さんは、少し苛立っているようだった。
それを見た結城さんが再び気を使ってくれた。
「僕も、片岡さんと話してみたいな。ねぇねぇ鳥居君、片岡さん借りてもいいよね?」
っと思った。
「え?」
「山田に聞いてください。」
「山田くーん。片岡さん借りていいー?」
結城さんは、鳥居さんの言葉通り、山田さんに聞きに行った。
あの…私の意見は…。
困っていたら、鋭い視線を感じた。
「…っ。」
やっぱり、高瀬さんだ…。
睨むように、じっとこちらを見ている。
鳥居さん…。
助けを求めるように鳥居さんの方を見たら、鳥居さんは、山田さんの方を向いていてこちらには気がついてくれなかった。