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仔猫と狼
第8章 勘違い
結城の提案に、イライラした。
俺は、さっきのことをこいつに聞きたかったからだ。
しかし、俺の意見でこいつを連れ回すのは、俺がわがままみたいで尺だったから山田に聞くように言った。
山田なら、俺の表情から察してくれるだろうと思ったんだ。
しかし、山田は俺の言いたいことに気がついたくせに無視しやがった。
「山田くーん。片岡さん借りていいー?」
「え?片岡さんに何か用があるんですか?」
「高瀬さんが片岡さんと話してみたいらしくてさ。僕も興味あるし、そこらへんの喫茶店に3人で行こうかなって。」
「なるほど。…いいんじゃないですか?彼女の勉強になるお話をしてあげてくださいね。」
山田は、満面の笑みで言った。
まるで俺を馬鹿にしたように。
「片岡さーん。山田君のオーケーもらったから、近くの喫茶店に行こう。おごってあげるからさ。」
「結城さん。私もですか?」
「仕方ないな〜。」
結城と高瀬は、楽しそうに話を進め始めた。
「えぇ…。わ…わかりました。」
片岡もまんざらではない様子で返事をした。
「くそっ…。」
俺は小さい声で悪態をつき、部屋から出て行こうとした。