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仔猫と狼
第8章 勘違い
「えぇ…。わ…わかりました。」
有名な声優で目上のお二人のお誘いも断れるはずもなく、助け舟だと思っていた山田さんにまで許可を得られてしまった私は、しぶしぶ返事をした。
「ー…っ。」
鳥居さんの声が聞こえた気がして、振り返ると鳥居さんはイライラした様子で部屋をでようとしていた。
「あ…。鳥居さ…。」
「鳥居さん。片岡さん、借りますね?」
「どうぞ。俺は、疲れたから帰るわ。お疲れ様。」
高瀬さんは、帰ろうとする鳥居さんに怪しい笑顔を向けて言った。
「鳥居さん。片岡さん…お借りしますね?」
「鳥居君、お疲れ。」
そのことに気がつかない結城さんは、明るく挨拶をした。
「お疲れ様。」
「ほら、片岡さん。行くよ〜。」
結城さんは、私の腕を掴みスキップするように鳥居さんの横を通り抜けた。
私は、びっくりして呆然としたが慌てて鳥居さんに挨拶をした。
「!…あ。お疲れ様です…。」
「結城さん、片岡さんを話してください。私が彼女を誘ったんですから。」
「ごめん、ごめん。」
高瀬さんも後から付いてきて、私の腕を引っ張った。