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仔猫と狼
第8章 勘違い
「彼は、原石を見つけるのがとても上手いの。彼が発掘した新人は売れるようになってきたわ。」
「そ、そうだったんですか…。」
「だから、そんな彼に発掘されたあなたはきっと売れると思うのよね。」
「…私が…。」
片岡さんは、一瞬くらい顔をした。
どうやら、彼女もなにやら訳ありのようだ。
彼女のような訳ありは、芸能界で生きていくのは難しい。
どうなっていくのか楽しみだ。
「片岡さん…?」
高瀬さんが声をかけた。
「あ…すいません。ちょっとお手洗いに行ってきます…。」
「いってらっしゃ〜い。」
逃げたな。
高瀬さんは、無言で片岡さんの後ろ姿を見つめている。
「高瀬さん。」
「なんです?」
「君、片岡さんの事いじめちゃダメだよ?」
「は?いじめてませんし、いじめる気もさらさらありませんよ。…かわいがりはしますけど…。」
「え?それどういう意味…。」
高瀬さんは、人形をもらった女の子のような残酷な笑みをういかべた。