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仔猫と狼
第9章 秘密
「…。」
は、は、恥ずかしい…!
全然気がつかなかった!
どうしよう恥ずかしすぎる…。
「片岡さん?聞いてる??」
「高瀬ちゃん、こりゃ聞いてないよ。」
「見りゃわかりますよ。…冗談だったんだけど…。」
ほら、結城さんも高瀬さんも一緒にいて恥ずかしいよね…。
…また…迷惑かけちゃった…。
私のせいで…。
…さん
…たおかさん
「片岡さん!」
「はい!」
「大丈夫??」
「はい、すみません…。」
高瀬さんが呼んでたのにも気が付けなかった…。
やっぱり私は…。
「片岡さんごめんね。」
「え?」
「声に出てたってのは冗談なの。」
「冗…談…??」
「ええ。声に出てるなんて嘘よ。」
「本当…ですか…?」
高瀬さんが嘘をついているわけではなく…?
「ええ。」
「どっちかっていうと…。」
結城さんが笑を堪えるように言葉を紡ぐ…。
「声には出てなかったけど、顔に出てた。」
そう言ったとたん結城さんはもう無理と言いながら大笑いを始めた。